サーマルマネジメント、放熱材料の開発に向けて
TIM、ヒートシンクなどの放熱評特性評価をサポート
電子デバイス、BEVなどの発熱問題がますます深刻化
昨今の電子デバイスは、半導体の小型化・高密度化・集積化・高機能化に伴い、狭いエリアに電子部品が大量に集積され、熱がこもる傾向にあります。
例えば、スマートフォンやノートパソコンなどの携帯型機器では、ファンを搭載せずに放熱する製品が増えており、夏場の屋外などで使用したり、車のダッシュボードに放置しておくと内部温度が上昇したり、充電中に操作すると発熱により高温になるなど熱暴走などの問題が発生します。
また、発光デバイスであるLEDの高出力化が進み電気から光への変換効率は高くなったとはいえ熱が大きく発生し、発熱量が増えると発光効率が低下したり、寿命が短くなったりするなどの問題が生じます。
さらに近年、電気自動車(BEV)が普及していますが、BEVは高電圧・高電流を扱うため放出される熱量は従来の自動車よりも大きく発熱問題を深刻化させる要因となっています。そのため昨今では燃費性能に代わり電費性能が注目されています。
電子デバイスの発熱問題は製品の信頼性や安全性などに影響を及ぼす可能性があり、今後も電子デバイスの性能向上が進む中、発熱への対策はますます重要になると考えられます。
放熱材料、TIMの需要が増加
このような背景から、放熱材料、特にTIMの需要が高まっています。
TIM(Thermal Interface Material)とは、電子機器の内部で発生した不要な熱を効率よく放熱するために部材間に挿入される熱伝導性材料のことを指す用語です。一般的にはIC(集積回路)などの発熱体とヒートスプレッダーやヒートシンクといった放熱部品の間に挿入する形で使用されます。
ICやヒートシンクなどの放熱器の表面は見た目に平らに見えても、ミクロに見ると表面のわずかな粗さが存在します。そのため両者を直接密着させても、ICと放熱器の間には少なからず空隙が残ります。空気はとても断熱性が高い(熱伝導率が小さい)ため、ICの熱は空隙を避ける形で伝播していくことになり、結果、効率よく熱を外部に放熱することができません。それを解決するのが、TIMです。熱伝導シートに代表されるTIMをICと放熱器の間に挿入することで、お互いの表面の細かな凹凸の間にTIMが入り込みます。熱伝導性のいいTIMが双方間をすきまなく密着することで、密着面全体を使った熱の伝播経路ができるようになり、効率よくICの熱を外部に逃がすことができるようになります。物体間の熱の移動を助ける働きを持つ材料です。
電気部品で発熱量が多い場合には、よく使われています。
TIMに求められる基本性能として
① 放熱特性
② 隙間を埋められる柔軟性
③ 絶縁性
④ 耐熱、耐久性
⑤ その場で保持する力
⑥ ハンドリング性
などがあげられるかと思います。
一般的には放熱グリース、放熱シートという形で柔らかくかつ熱伝導性の高い材料が使用され、さらなるパワー半導体などの高温環境下でも耐えうる高熱伝導性材料開発が求められています。
これらのTIM材料の開発や採用検討されている研究開発部門において、材料評価方法に大きな課題を持たれています。
公表されている熱伝導率(W/m・K)は各社それぞれ違った手法で測定・評価されており、同じ物差しで比較することが難しい状況です。また実際に使用される材料の厚みで、荷重をかけた状態での測定や長期信頼性におけるポンプアウト現象の問題など(下記図参照)を評価する方法がありませんでした。
当社では、TIMにおけるサーマルマネージメント、放熱性能評価に最適なTIMA®5を23年度からドイツNanotest社から日本国内に導入し、販売を開始しました。
TIMA®5の大きな特徴としてASTM D5470に完全準拠し
①サンプル厚み1μm~、荷重±1N~自由に制御、モニター
②ポンプアウト現象などに対応した信頼性、寿命試験などが行えるサイクリングコントロール機能
③豊富なテストヘッド □10~25.4㎜ φ13~25.4㎜ 銅とアルミの両方をご用意
④より正確な界面熱抵抗率の算出が可能
⑤実物のIC回路を用いて放熱特性評価が可能 TTV(Thermal Test Vehicles)システム
などが挙げられます。
当社新横浜デモルームにて実際にテスト評価して頂けますので、是非一度お試しいただけますようお願いします。(TTVは準備中)
また、ヒートシンク材料などの硬い高放熱特性材料評価、グラファイトシートなど異方性材料などの熱拡散率測定が可能なサーモウェーブアナライザ TA シリーズを新たに取り揃えました。
さらに、ゲルタイム測定において従来から課題とされていた、ガラス繊維プリプレグ、炭素繊維プリプレグなどがシート状で測定できる新型ゲルタイム測定装置「しずか」をリリースしました。
松尾産業の〝熱Solution” デモルームに是非お越しください。お問合せやデモのご依頼お待ちしております。
熱solution
TIM(Thermal Interface Material)におけるサーマルマネージメント、放熱性能評価に!
●Thermal Interface Material Analyzer TIMA®5(ドイツ製)
ASTM D5470-17完全準拠
薄膜測定(50μm以下も測定)
1Nからの荷重制御
エージング、信頼性試験にも適応
ヒートシンク材料など高放熱材料評価において、水平、垂直、マッピングでの放熱特性評価
●サーモウェーブアナライザ TA シリーズ
周期加熱放射測温法を用いて熱拡散率を測定
測定困難な薄い試料でも測定可能
グラファイトシート熱拡散率測定法の標準化 2018 年JIS 化
レーザーフラッシュ法に比べ、幅広い測定レンジをカバー
New ガラス繊維プリプレグ、炭素繊維プリプレグなどシートのままでゲルタイム測定が可能
●新型ゲルタイム測定装置 しずか
これまで測定が難しかった、極薄プリプレグシート・炭素繊維プリプレグシートなどが、シート状のままでゲルタイム測定可能です。もちろん液・粉の測定も可能です。
シート状のものを直接測定 PCB用プリプレグの粉出し不要 PCB 用プリプレグ、カーボンプリプレグなどを直接測定できます。RCC(樹脂付銅箔)の測定も可能です。
薄物から厚物まで1 枚で測定 10um 極薄プリプレグから厚みのある不織布まで対応します。
熱硬化性樹脂などのゲルタイムを簡単に測定
●ゲルタイム測定装置 まどか
熱硬化性樹脂、2液硬化型樹脂、湿気硬化型樹脂、常温硬化型樹脂など様々な樹脂のゲルタイム測定が可能です。 エポキシ、シリコーン、ウレタン、フェノール、不飽和ポリエステル、PVC、フラン樹脂、アクリル樹脂 プリプレグ、半導体封止材、接着剤、粘着剤、摩擦材、シーリング材、塗料他
統計データから管理図、ヒストグラム図、パレート図を簡単に作成できます
高い熱伝導性、絶縁性を兼ね備えた、窒化アルミニウムフィラー
●窒化アルミフィラー
高い熱伝導率、絶縁性能、優れた充填性、流動性を実現します。
充填性、耐水性向上のための表面処理品の提供も可能です。
窒化アルミニウム原粉末、球状大粒径焼結フィラーをラインナップ。
これからの松尾産業「熱ソリューション」にご期待ください。
新横浜デモルームにてサンプルテストのサポートをしております。お気軽にお越しください。
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