チタン加工の難しさ 切削加工・成形加工編
チタン、チタン合金にはそれぞれ加工難度を上昇させる要因がいくつかございます。
加工の難しさやチタンの特性を知れば、チタンのイメージも変わります。
チタン加工経験豊富なチタンのオーファがチタン・チタン合金加工について徹底解明します。
チタン加工経験豊富なチタンのオーファがチタン・チタン合金加工について徹底解明します。
チタン加工の難しさ ― 成形加工時における注意点
①耐力/ヤング率比が大きい(*チタン2種の場合…ヤング率 kgf/m㎡:10850 耐力:29.3)
⇒スプリングバックが大きいので、その分を見込んだ曲げが必要。
予め要求数値よりも深く、基準を設定しておくことが有効。(写真①参照)
⇒スプリングバックが大きいので、その分を見込んだ曲げが必要。
予め要求数値よりも深く、基準を設定しておくことが有効。(写真①参照)
②加工硬化指数(n値)が他鋼種より比較的小さい(*チタン1種:0.148、SUS304:0.404)
⇒プレス成型時には、チタン2種より低強度で延びが大きい1種を使用することが有効。(写真②参照)
⇒プレス成型時には、チタン2種より低強度で延びが大きい1種を使用することが有効。(写真②参照)
③圧延による異方性(r値)が非常に大きい (*チタン1種 : 5.28 、SUS304 : 1.01)
⇒異方性(物理的性質が圧延方向により異なること)の性質が大きいため、
ブランクの取り方などを決める際、圧延方向の配慮が必要。(写真③参照)
⇒異方性(物理的性質が圧延方向により異なること)の性質が大きいため、
ブランクの取り方などを決める際、圧延方向の配慮が必要。(写真③参照)
~チタン成形加工のポイント~
- スプリングバックの対策としては温間成形も有効。
室温から300℃の間で強度が減少し伸びが大きくなるため効果的。
但し、上記温度域では曲げ性が劣化するため、割れを生じたりする可能性もあるため注意。 - チタン1、2種、15-3-3-3(チタン合金)などは冷間での塑性加工が可能だが、チタン64合金の場合は、室温では高強度かつ伸びが小さいので、熱間加工が基本となる。
- 成形時に工具との焼付きが起こりやすいため、摩擦を伴う成形の場合は、潤滑剤の使用が好ましい。
チタン加工の難しさ ― 切削加工時の注意点
①高温の際、活性なこと
化学的に活性で酸素や窒素と反応しやすい。
高温の場合、酸化・窒化硬化層が生成しやすく、それが影響し、工具の摩耗を促進させます。
化学的に活性で酸素や窒素と反応しやすい。
高温の場合、酸化・窒化硬化層が生成しやすく、それが影響し、工具の摩耗を促進させます。
②ヤング率が小さいこと
ヤング率が鋼の約1/2と小さいために、弾性変形がしやすく、
切削した際、ワークが通常の鋼の約2倍弾性変形する。
また、薄肉のワークでは加工精度が悪く、びびりが生じることがある。
例えば、S45Cに比べると約10倍の振動が生じる。
ヤング率が鋼の約1/2と小さいために、弾性変形がしやすく、
切削した際、ワークが通常の鋼の約2倍弾性変形する。
また、薄肉のワークでは加工精度が悪く、びびりが生じることがある。
例えば、S45Cに比べると約10倍の振動が生じる。
③熱伝導率が低いこと
④耐摩耗性が劣ること
~難削材となる理由~
①化学的に活性で酸素や窒素と反応しやすい。
高温の場合、酸化・窒化硬化層が生成しやすく、それが影響し、工具の摩耗を促進させます。
高温の場合、酸化・窒化硬化層が生成しやすく、それが影響し、工具の摩耗を促進させます。
②ヤング率が鋼の約1/2と小さいために、弾性変形がしやすく、
切削した際、ワークが通常の鋼の約2倍弾性変形する。
また、薄肉のワークでは加工精度が悪く、 びびりが生じることがある。
例えば、S45Cに比べると約10倍の振動が生じる。
切削した際、ワークが通常の鋼の約2倍弾性変形する。
また、薄肉のワークでは加工精度が悪く、 びびりが生じることがある。
例えば、S45Cに比べると約10倍の振動が生じる。
③熱伝導率が銅を100%とすると、チタンは1~3%程度と低く、ステンレス鋼と同程度である。
また、切削した際に、発生した熱が逃げにくい。(その他、熱伝導率の例:アルミ…64%)
そのため、工具とワークに熱が蓄積し、その熱影響により、工具の摩耗が大きくなる。
また、切削した際に、発生した熱が逃げにくい。(その他、熱伝導率の例:アルミ…64%)
そのため、工具とワークに熱が蓄積し、その熱影響により、工具の摩耗が大きくなる。
④耐摩耗性に劣り、焼き付きを起こしやすい。
粘り気のある純チタンはアルミ・ステンレスと違い、切粉が工具に付着し摩耗を促進させる。
粘り気のある純チタンはアルミ・ステンレスと違い、切粉が工具に付着し摩耗を促進させる。
~チタン切削加工のポイント~
- 切削熱を抑える、もしくはコントロールすること。
- 切削工具によるが、切削速度や機械のパワーに留意し、加工すること。
- 工具の突き出し長さは出来る限り短くし、振れを抑制する。
- 工具交換時期を適切にすること。
チタン、チタン合金の加工には、十分な加工経験と知識が必要です。
オーファでは切削油の温度管理はもちろん、空調管理・工具刃物管理また外注管理ほか徹底した管理の下で製造に取り組んでおります。
チタン、チタン合金の加工でお困りの際には、ぜひ私達にご相談ください。
オーファでは切削油の温度管理はもちろん、空調管理・工具刃物管理また外注管理ほか徹底した管理の下で製造に取り組んでおります。
チタン、チタン合金の加工でお困りの際には、ぜひ私達にご相談ください。
オーファのチタン加工のご紹介
難形状加工(マシニング)
チタン64丸棒から難形状の削り出し
2台のMCでパートを分け加工することで、2軸加工機での製作を実現。
社内加工機でどうすれば5軸加工同等の製品を加工出来るかを、担当オペレターと試行錯誤を重ねつつ、削り出しの成功に至りました。
上記商品はΦ80×150mmの丸棒からの加工になります。
某バイクレーシングチーム向けに採用いただいております。
社内加工機でどうすれば5軸加工同等の製品を加工出来るかを、担当オペレターと試行錯誤を重ねつつ、削り出しの成功に至りました。
上記商品はΦ80×150mmの丸棒からの加工になります。
某バイクレーシングチーム向けに採用いただいております。
- 材質:チタン2種、チタン合金(6Al-4V)他
- 製造範囲:外径/Φ10~Φ100mm
- 長さ:L10~L300mm
チタンのヘラ絞り加工
板や円筒の金属板を回しながら、“へら”と呼ばれる専用の道具を板に押し当て圧力を加えることにより
成形する塑性加工の一種
成形する塑性加工の一種
チタンのヘラ絞りは冷間での加工が困難なため、素材を加熱し柔くしてから延ばしていきます。そのため外観は酸化が進み、真っ黒な仕上りとなりますので、酸洗や研磨による仕上げが必要となります。またヘラ絞りの形状により箇所毎に減肉する程度が違うため、肉厚をコントロールしながら作業する必要があり、細心の注意が必要です。
Web通販
OFAの通信販売では、1本・1枚~チタン・チタン合金材料購入できます!
難削材といわれるチタンの加工も1個からお任せください。
難削材といわれるチタンの加工も1個からお任せください。
チタン材、ステンレス材、アルミ材などの素材販売から加工まで、小ロットから対応しています。
試作・開発・量産部品用に、チタン・その他非鉄金属材料を1本、1個、1枚から販売しておりますので、気軽にお見積り・ご購入いただけます。
ご購入いただいた材料の加工(切断、プレス、曲げ、溶接、研磨、表面加工など)も行っておりますので、1本・1枚~お気軽にご相談ください。
チタンパイプ・板・丸棒は即日発送も可能です!